新刊情報:髙田京比子・田中俊之・ 轟木広太郎・中村敦子・小林功編『中近世ヨーロッパ史のフロンティア』

「中近世ヨーロッパ史研究の革新的論集」と銘打たれた論文集です。中世ヨーロッパというとだいたいビザンツ・東欧は置いてけぼりになりがちですが、本書には2020年に単著を出されて以降編著のお仕事が俄然増えている立命館大学の小林功先生も編著者として参加されております。第Ⅰ部・第Ⅱ部もなかなか興味深いタイトルがありますが、ここで注目すべきは第Ⅲ部でして

■第Ⅲ部 アイデンティティの形成と多様性
第14章 「見えなくなっている」人々を求めて(小林 功)
第16章 「ギリシア人たちの嘆願」から見る「モレア人」の形成(櫻井康人)
第17章 ガレー船が戻ってくるまでに(高田良太)
第18章 一五世紀ビザンツ知識人の「西方」との出会いと別れ(上柿智生)

とビザンツ絡みの章が4つも(第17章は著者が高田良太先生なので推測ですが)あるという、この手のタイトルではなかなか見かけない内容になっております。

中近世ヨーロッパ史のフロンティア - 株式会社昭和堂
中近世ヨーロッパ史研究の革新的論集。水平的なネットワーク、垂直的な統治、アイデンティティを軸とした政治史や社会史を論じる。

 

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