ついに、中期ビザンツを舞台にした漫画が、しかも商業作品で発売されます!
新しく本が出ます!
『アンナ・コムネナ』1巻、12月10日発売です。
11~12世紀、中世の東地中海。知性と野心と想像力をを武器に歴史に名を刻んだビザンツ皇女アンナ・コムネナを主人公に描くフルカラー漫画です。
版元ドットコム https://t.co/0tZQ1mFGwC
アマゾン https://t.co/RHUds414NA pic.twitter.com/USHLqIkykY— ふたば (@baccheuo) November 16, 2021
『うたえ!エーリンナ』の佐藤二葉先生が、アレクシオス1世コムネノスの皇女にして西洋史上稀な女性歴史家アンナ・コムネナを主人公にしたタイトルもズバリ『アンナ・コムネナ』の第1巻を星海社COMICSから2021年12月10日に出されます。
日本において、中期ビザンツが舞台の商業作品が出る、これは大変画期的なことです。ビザンツ帝国が商業作品に出てくる場合、ユスティニアヌスの治世か1453年5月の滅亡時くらいなもので、あとは、並木陽先生の脚本でNHK-FMの青春アドベンチャー枠で放送された第4次十字軍絡みの『紺碧のアルカディア』くらいしかないのではないかと思います。ましてや、『うたえ!エーリンナ』の佐藤先生ですからね。もう、これだけでも期待大の作品です。表紙のアンナ様の目力からして素晴らしい(佐藤先生の描く女性は総じて目力が素晴らしいのですが)。
さらに、佐藤先生がアンナ・コムネナを描くきっかけになったのは井上浩一先生の『ビザンツ皇妃列伝』と『歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品』を読まれてからだったそうなのですが、今回の作品ではその井上浩一先生とやり取りしながら描かれておりますので、考証的にも期待大の作品となっております。
実は、今年の初めに佐藤先生が、
と仰っていて、私と
それこそアンナ様とかの時代に詳しくて、一般への普及にも積極的で監修も出来そうな方というと一人思いつくし、連絡取れるお方だが畏れ多いお方でもある
— ビザンティン帝国同好会【SINCE 1999】 (@Byzantine_Club) January 8, 2021
ま、まさか………(畏れ多すぎてお名前を心の中で思い浮かべるだけで震えてしまいます) https://t.co/JhTQbJuNdf
— ふたば (@baccheuo) January 8, 2021
というやり取りをしていたのですが、それを井上先生がこのサイト経由でご覧になっていたらしく、私宛に人物や歴史的背景についてならお手伝いできますとお伝えください、というメールを下さいました。
そこで、早速佐藤先生にご連絡して、佐藤先生と井上先生の間を取り次がせて頂いた次第です。
従いまして、今回本作には実は私も0.001%くらい関与させて頂いたのですが、私の関与云々よりも重要なのは本邦屈指のビザンツ史学者である井上先生が、一般に対するビザンツの普及に尽力されているご姿勢の賜物でもあるということです。
佐藤二葉先生と井上浩一先生という超強力な組み合わせが描き出すアンナ・コムネナの生涯、もう楽しみで仕方がありませんね。
■合わせて読みたい3冊
- 井上浩一『ビザンツ皇妃列伝』 – 第6章がアンナの母エイレーネー・ドゥーカイナー
- アンナ・コムニニ(アンナ・コムネナ)、相野洋三訳『アレクシアス』 – 言わずと知れたアンナ自身の著書
- 井上浩一『歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品』 – アンナの生涯を辿り、アンナの歴史著述方法に迫った一冊。
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