【新刊情報】クレモナのリウトプランド『報復の書』/ヴァイセンブルクのアーダルベルト『レーギノ年代記続編』

とうの昔に書誌情報出ているのですが、ご紹介が遅くなりました。
コンスタンティノープル使節記』で、冷遇された腹いせにある事ないことビザンツへの罵詈雑言を書いたことでおなじみのクレモナ司教リウトプランド,ですが、その他に『報復の書』という書を遺しています(といっても未完成ですが)。

この書籍はイタリア・ドイツとビザンツの当時の状況を記したもので、『コンスタンティノープル使節記』より以前のコンスタンティノス7世時代にイタリア王ベレンガリオ2世の使節としてコンスタンティノープルを初めて訪れ、大いに歓待されたことが書かれているのです(最初に歓迎されたからこそ、2回目に冷遇されたことにリウプランドが腹を立てていたことは想像に難くないのですが)。

この『報復の書』が、2023年10月25日に『コンスタンティノープル使節記』と同じ知泉書館から発売されます!(訳者の三佐川亮宏先生は中世ドイツ史がご専門で、最近中公新書から『オットー大帝―辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」』を出されています)。

『報復の書』は井上浩一先生がご自身の著書で引用されている部分くらいしか日本語で読めなかったのですが、まさか日本語で読めるようになるとは。コンスタンティノープル大宮殿の玉座に仕掛けられた様々なカラクリや、「19の寝椅子の間」の宴会とか、時間がかかる皇帝から官僚への給与支給式とか日本語で読めちゃうのか・・・これは買うしかありませんぞ。

クレモナのリウトプランド『報復の書』/ヴァイセンブルクのアーダルベルト『レーギノ年代記続編』 - 株式会社 知泉書館 ACADEMIC PUBLISHMENT
ヴァイキング,ノルマン人,イスラーム教徒など異民族の侵入が相次いだ10世紀は,史料の数が極めて乏しく,「暗黒の世紀」と呼ばれる。しかし同時に,今日のヨーロッパ諸国と民族が形成された,歴史的に重要な「長い10世紀」でもある。叙述スタイルに豊か...

コメント