「予期せぬことと予期したくないことが起こると予期せよ」と言ったビザンツ皇帝は誰なのか

4/30付の日本経済新聞朝刊のインタビュー記事(会員登録が必要です)に唐突にビザンツ皇帝が出てきました。内容は「コロナが突く国の統治」で、政治家や専門家に新型コロナウイルスへの対策を聞く記事なのですが、最後に日経のアンカーのコメントとして

「予期せぬことと予期したくないことが起こると予期せよ」。ビザンツ帝国皇帝が戦場で述べたとされる格言は危機管理の核心を突いている。経験が通用しない事態に対処するには想像力を目いっぱい働かせるしかないが、前例踏襲を得意とする組織にとっては困難な作業だ。

というのがありました。

さて、こんなことを言ったビザンツ皇帝って誰?という疑問が当然出てきます(一般の日経読者は、そもそもビザンツ帝国皇帝って何だ?から始まると思いますが)。

これを投稿したところ、岡山大学の仲田先生が即座に反応してくださいまして、

ビザンツ(東ローマ)皇帝マウリキウス(ギリシャ語形マウリキオス 在位:582-602)は、『ストラテギコン』(Στρατηγικόν)という軍事書を書いているのですが、その一節ではないかと。

ということで、最初にそう書いたのはマウリキウスで、戦場で言ったのではなく軍事書にそう書いたというのが、正解のようです。日経のアンカーは一体どこからその文言拾ってきたのかも気になるところですが。

未知の感染症の蔓延という、第二次大戦後の世界では体験したことがない状況下では、あり得ないことも勘案して考えなければいけない、というのは確かにそうかもしれませんね。

仲田先生、ありがとうございました。

【補記】

ということで、マウリキウス以前から予想外のことにも対応する準備をしておけ、というのはあったようですね。

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